電磁波過敏症から電磁波不安症への提案

 

 「電磁波過敏症」という用語は,電磁界がNSPSの原因として確立されているという印象を 与えるため,これに代わるものとして「電磁界が原因と される本態性環境不耐症(idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields: IEIEMF)」という用語が提唱され・・

上の文章は以下の文献から引用しました。
・「電磁波過敏症」とは何か?

https://www.niph.go.jp/journal/data/64-6/201564060006.pdf
 さて、「電磁波過敏症」と言いう病名が良くないのは明らかで、上記論文で示されているように、一般の人にはこのような病気があるとしか受け取られないと思えます。他に現状の生活環境下(例えば送電線の下や携帯電話の使用)などで健康被害はないと言及しています。ここだけの話ですが、私は分析化学で使用する400MHzのH-NMRの管理監督をしていたことがあったのですが、特に体調の異常は感じ無かったのでした。なお、この分析機械では強い磁場は発生するため立ち位置禁止区域があり、メーカーさんから常時その場所にいないようにと解説を受けました。でもそれでは仕事にならないですよね。日常的に一日に16時間ほど測定室で仕事をしていた時期もありました。こんな私でも身体に異常が出なかったので、日常生活の中では健康被害は出ないだろうと思います。
 上の経産省の資料を見ても電機カーペットと送電線の下がほぼ同じ電磁界であることからも送電線の下は何かヤバそうというイメージを持ちやすいのだろう推測しています。
その根拠として、以下の調査が実施されようです。
先ず電磁波に物申したい方5000人に質問紙票配布、2472人が回答、11人がMPRSのテスト(目隠しをして携帯電話の電磁波を感じとれるかどうかのテスト)を受けたのですが、結果は、テストに参加されたみなさん全員が「この日は調子悪く、いつもの能力が発揮できなかった」とのことでした。(※1)

話を戻して
「電磁波過敏症」という用語は問題ありは理解出来たのですが、「電磁界が原因と される本態性環境不耐症」ってなんだ?となる訳です。
これこそ欠如モデル(※2)と言えます。
 病名は自身の苦しみを代弁してくれる場合が多いものです。例えば、実際に骨折している時、捻挫と骨折のどちらの診断名を告げられた時に痛さを代弁している診断名がどちらであるのかと考えれば納得されるのではないでしょうか。「電磁波過敏症」と言う病名が今の苦しみを救ってくれるという思いがあったから自身を当てはめていたのに、代弁をしてくれない伝わり難い病名に代えてしまっては、意思表示に苦労されている人たちを突き放してしまうのではないかと思えます。
 昨日のブログでも示したように「化学物質過敏症」を「特定物質過敏症」もしくは「特定物質不安症」にすることで、痛みや症状を代弁くれていると思う方は多いと思うのです。つまり自身の苦しみを代弁してくれるのは漠然とした病名ではないと言う方もいらっしゃるだろうと思うからです。苦しまれている方の多くは原因をはっきりさせる病名を望むのではないかと思うのです。なので、オブラートに包んだ病名ではなく、自分は精神的な問題だな思う方は「電磁波不安症」ではないかと疑い、きちんと専門医の診断を仰ぎやすくなるのではないと思えます。
平成 27 年度 環境中の微量な化学物質による健康影響に関する 調査研究業務(※3)では、結論の最後に「精神疾患の合併率 が 80%と高いため、心身医学・精神医学的アプローチも有効である。」と付け加えて論文を閉じています。この報告書を読むと「電磁波不安症」もあっても良いのではと思えます。もし、この問題を克服された方がいらっしゃいしましたら、LEMAまでご連絡をください。電磁波のレイ・エキスパートとしての社会貢献を話し合いたいと思いました。
 電波の生体への影響に関する中間報告書WG(第1回)(※4)の議論では、専門家だけの話し合いでは当事者不在で電磁波の恐怖を感じられている方たちの現状がどこかスッキリしません。
レイエキスパートの参加が必要なのだろうと思いました。

文責 半谷輝己 

※1.Effects of short-term W-CDMA mobile phone base station exposure on women with or without mobile phone related symptoms.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18780296

※2.欠如モデル
https://ndrecovery.niph.go.jp/?record_id=686
3.平成 27 年度 環境中の微量な化学物質による健康影響に関する 調査研究業務
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/mcs/biryou27.pdf 

※4.電波の生体への影響に関する中間報告書WG(第1回)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000308597.pdf